村越に聞く

薪ストーブのある家

暮らしをデザインするアイテム -薪ストーブ-
■汗を流す省エネルギー

日本が自給できる大きなエネルギーである木質バイオマス。日本は国土の約7割が森林で占められている森林大国です。この木質バイオマスを使って薪ストーブで暖房する。木は成長過程で二酸化炭素(CO?)を酸素にしてくれます。薪ストーブで燃焼時に発生する二酸化炭素は新たな木を育てていき、循環の中で二酸化炭素を増やしません。こうした特性はカーボンリセット、カーボンニュートラルと言われ、エコな暖房となります。薪ストーブは当然ながら薪を燃やすことで熱を得ています。その薪は販売もされていますが、現状は化石燃料と比べて割高感があります。更に、「スイッチポン」で暖かくなるエアコンや石油ストーブの様にお手軽ではありません。家族で汗をかき薪造りをして、手間をかけて火を起こす。こんな省エネが今の日本に必要な気がします。

■山林の荒廃

ほんの少し昔までは、山に入り薪を集め料理をしたり、お風呂の水を沸かしたりしていたのが、現在はその必要もなく、結果山に人が入らず荒れている状態です。私自身が子供の頃走り回った獣道的な山道も、今は見る影もありません。良好な山林は雨を吸収し、その水は木を育て、豊富な栄養と共に川を下り海の栄養となります。山林の荒廃は山のみならず川や海へと悪循環を招きます。
住宅において国産材を使用して木造の住宅を造る必要性と併せて
薪ストーブの利用も、山林の再生へ繋がっていきます。

■炎が与えてくれるもの

人は50万年前から火を使い、火に守られて暮してきました。
日本でも数10年前まで囲炉裏や火鉢、料理や風呂釜で火を使っていましたが、日本人は利便性を求め、手間暇のかかる生火を使うことを止めました。(消して悪いことではない)
現在、日本の薪ストーブの販売台数は年間約1万台。冬の寒さが厳しいドイツでは、年間35万台が販売されています。パッシブハウスという高い省エネ住宅の基準を持つドイツでは、薪ストーブの大きな熱源が必要ない断熱性能です。暖房としての必要性が低くなった薪ストーブは、インテリア(家具)のような扱いとなり、当たり前に炎があり、その炎を愛でながら団欒し、寛ぐ暮らしが継承されています。
近年、薪ストーブの設置販売をはじめ、薪ストーブユーザーも増え、炎が与えてくれるものは、暖房だけでは無いことを確信しています。

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